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とちぎ 佐野の地酒 “開華”(かいか) 日本酒で笑顔を「第一酒造株式会社」

Posted by これトチ! : 2014年7月17日

みなさんこんにちは、これトチ!です。

今回は、ゆるキャラグランプリ2013で全国1位に輝いた「さのまる」の地元 佐野の地酒“開華(かいか)”を造っておられる「第一酒造株式会社」さんを訪問いたしました。

01開華1(風景)

今回、お話を伺ったのは、島田嘉内(しまだかない)代表取締役会長と島田嘉紀(しまだよしのり)代表取締役社長です。

11代当主の島田嘉内会長は、現在、佐野商工会議所会頭として地域経済を引っ張っておられ、慶應義塾大学在学中には、箱根駅伝のエース区間を走ったという脚力の持ち主です。
また、島田嘉紀社長は、酒類会社全国トップの会社で修行中に酒類自販機販売台数で全国トップ営業マンとなり、国体陸上競技では2位となるなど親譲りの脚力の持ち主なのです。

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(写真中央が島田嘉内会長、向かって右側が島田嘉紀社長)

栃木県内には美味しい日本酒の酒蔵がたくさんありますが、こちら「第一酒造」さんはお酒が美味しいのは勿論、全国で唯一、つまり“オンリーワン”というものがたくさんある酒蔵です。

最初に、応接室でお話しを伺いました。
環境庁指定の名水百選の一つ「出流原弁天池」がある、自然豊かな佐野市。
江戸時代、佐野のお酒は、渡良瀬川から利根川への河川流通により、「地廻りもの」として、当時の一大消費地であった江戸へ運ばれ、関東の酒処として栄えたそうです。

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その酒造りのまちで、第一酒造さんが創業したのは、延宝元年(1673年)。
340年の歴史を持つ栃木県最古の老舗酒蔵ですが、創業当時から農家でもあるそうです。
農業をやりながら酒造業を始めたということで、現在も蔵元自社水田で、田植えから収穫まで全てを社員で行っています。

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酒造りに使う米は、自社水田で収穫した約150俵(1俵60kg)と近隣農家のものです。
実は、全国の酒蔵では唯一の「政府認定米麦集荷業者」であり、数年前までは政府にしか出来なかった「米の等級検査」を自社で実施している全国で唯一の酒蔵です。「地域で愛されるからこそ地酒」がポリシーで、自ら米を栽培するだけでなく、近隣農家と直接契約して米の集荷や検査を行っています。栃木県内への出荷が全体の約8割を占めていることからみても、第一酒造さんが、地域と農業を大切にされていることが分かります。

平成10年より北関東3県で初めて全商品が特定名称酒(吟醸酒、純米酒、等)に移行され、その品質等の向上に努めたことにより、独自の優れた技術や製品を有する企業を認証する「栃木県フロンティア企業」に酒類業界で初めて認定されました。
また、平成19年に酒類業界では唯一、栃木県内の優れた技能者を認定する「とちぎマイスター」に、名誉杜氏の力石武司氏が認定を受けました。他にも、酒造一級技能士5名、下野杜氏3名、清酒の官能評価分析における専門評価者1名、食糧検査技師2名等、卓越した技術者が集まっています。

「米」「水」「造り」の全てに、こだわりを持って造られたお酒は、全国新酒鑑評会において20年間で12回の金賞受賞や、全日空国際線のファーストクラスやビジネスクラスに搭載される等の実績を持ちます。
地元の方に愛され続け約8割が栃木県内に出荷される「開華」は、残りの約2割が、関東地方を中心に全国への出荷とアメリカ・欧州・香港・台湾等への輸出となっています。
近年では、大晦日にしぼったお酒を元日に宅配する「開華 大晦日しぼり」や、立春の早朝にしぼったお酒を関東エリアの愛飲家の皆様にその日のうちに飲んでいただく「開華 立春朝搾り」等が地元以外のお客様にも好評で、年々地元の方以外のファンも増えているそうです。

お酒単体での提案だけでなく、“地域の食”と“日本酒”は切っても切れない関係ということで、平成19年から地域性と季節性を訴える「旬どき・うまいもの自慢会・とちぎ」を立ち上げたり、全国の日本酒蔵9社のアンテナショップ「宝」(東京国際フォーラム内)に参画されたりしています。
また、「多くの方に日本酒の魅力を伝えたい」という会長や社長を始めとした蔵人の想いから、様々なイベント等が開催されています。

酒蔵見学会

蔵の方に、酒造りの工程等の話しを伺いながら廻るものです。最後には、見学会限定のしぼりたてを含む商品の試飲があるそうです。
※見学については、お客様と製品の安全を守るために案内できない場合もあるそうなので、事前に連絡をして行って下さいね。

ひやガーデン(6月~7月の金・土開催)

創業340年の酒蔵の中庭で、夕涼みをしながら、冷酒を楽しむ「ひやガーデン」では、お弁当や季節の野菜等といっしょに、非売品の限定生酒(純米吟醸生原酒)や鑑評会出品酒クラスの限定酒が楽しめるそうです。
毎年、予約が始まると、あっという間に満席になってしまう人気イベントです。

酒蔵茶屋(9月下旬~10月下旬の金・土曜日)

創業340年の酒蔵奥座敷で、酒蔵茶屋オリジナル「特製弁当」といっしょに、大吟醸から本醸造まで約20種類の日本酒が楽しめます。

こだわりの厳選会

厳冬期にしぼり、低温貯蔵庫で熟成させた日本酒の熟成状態を確認する「初呑み切り」に、一般の愛飲家の方に参加してもらい、最も良い状態のお酒を選んでいただき、一番人気のあったお酒を「こだわりの厳選酒」として発売するという企画です。
発売される商品には厳選人の氏名が記載される予定とのこと。商品は一般販売もするそうですが、自分の名前が載ったお酒は、きっと格別なものになるはず。開華ファンには見逃せませんよね!

イベントの詳細については、「蔵元便りhttp://www.sakekaika.co.jp/kuramoto-dayori」で詳細をご覧くださいね。

続いて、酒蔵を案内していただきました。

●精米

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精米の出来により後の工程に影響が出てしまうので、米を磨く(清酒製造では「削る」ではなく「磨く」というそうです)砥石の形状にもこだわったそうです。

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美味しいお酒を造るには、玄米の外側部分には、胚芽や糖等、製造工程において雑味の原因となる成分が多く含まれているため、米の中心部分が最も適しているそうです。
米の中心に近い部分を使うほど、雑味のない上等なお酒が出来あがるので、大吟醸酒は50%以下、吟醸酒は60%以下のものを原料として使用しているそうです。食用の白米の精米歩合は約90%とのことなので、米が磨かれるほど、出来あがる日本酒の量が減るため、貴重なお酒になるのです。

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赤糠(あかぬか)・・・精米歩合100%~90%
中糠(ちゅうぬか)・・・精米歩合90%~80%
白糠(しろぬか)・・・精米歩合80%~65%
上白糠(じょうしろぬか)・・・精米歩合65%~50%
上白糠と赤糠ではこんなに色が違います。上白糠は、片栗粉のような白さ。
精米によって出た糠は、煎餅の原料や飼料等に使われ、清酒の製造では、ほとんど捨てるものが出ないそうです。環境に優しいですね。

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(地元のお米=酒造好適米)
精米が終了すると、白米の水分を均一にするために、「枯らし」の作業が行われます。これは、精米直後の白米は、精米の際の摩擦熱で、外側は水分が少なく、中心部は水分が多い状態となっており、この状態で浸漬作業を行うと、米が割れたり、水を吸いすぎたりしてしまい、質の良いお酒ができないからなのだそうです。

●浸漬(しんせき)

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洗米した白米を水に漬け、目的とする水量を米に吸収させます。浸漬時間は、米の種類、使用目的等の条件により変わるので、都度調整しているそうです。

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予定の浸漬時間が終わると、「水切り」が行われます。水を吸収しすぎないようにするためにも大切な作業です。

●麴造り

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※取材のため、特別に部屋に入れていただいています。
日本酒造りでは、昔から、「一麹(いちこうじ)、二酛(にもと)、三造り(さんつくり)」と言われており、麹の出来次第でお酒の質が左右されるため、麹は美味しいお酒を造るためのカギとなるそうです。昔は、「麹室には酒の神が宿っている」と言われたほど大切な部屋なのだそうです。

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糖化力の強い麹をつくるために、室温と湿度が一定に保たれています。

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麹菌の発熱により温度が変わるので、差した温度計を見ながら、常に管理をしているそうです。数時間で温度変化するため、昼夜を問わず確認作業を行っています。

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出来上った麹は、栗のような香りと旨味があるそうです。麹室から出して、広げて温度を下げてから仕込みに使われます。

●本仕込み

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甘い香りが漂っています。
青いタンク1個に約3千リットルが入るそうです。一升瓶にすると、約2千本分になります。

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※取材のため、特別にタンク内が見える場所に入れていただいています。

事前に造られた酒母に、麹、水、蒸米を三回に分けて仕込み、醪(もろみ)が造られます。
醪タンクの中では、米麹の力により米のでんぷんが糖化され、酵母の力で発酵が行われ、糖がアルコールとなります。発酵中は、泡のはじける音が聞こえるようです。
また、この作業では、旨味を引き出すために、温度管理が重要となるので、細心の注意を払い管理をしているそうです。

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「酒造りが始まる前には、蔵の中を洗い清めますが、蔵の神様(家付き酵母)が空中を漂いながら、340年間住み続けています。天候やこの酵母等の影響により、同じように造っても、微妙に味わいが違ってきます。ですが、特定名称酒の法律上の原料・製法等の基準を、精米歩合や麹歩合等で更に厳しくした自社基準を設定することで、お客様に喜んでいただける、華やかで繊細な香りと旨みのある酒を造っています」と島田嘉紀社長。美味しいお酒を楽しんでほしいという想いが、多くの方に愛される「開華」のお酒造りに繋がっているのですね。

●瓶詰め

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醪は酒粕と液体に分けられ、濾過、火入れ等のいくつかの工程を経て瓶詰めされ出荷されます。
第一酒造さんでは、純米酒以上のお酒は、瓶燗急冷方式による瓶詰めが行われています。

ご紹介したのは、工程のほんの一部。様々な工程を経て、美味しいお酒が出来上るのです。

最後にご紹介するのは、2003年12月に蔵を改装して造られた「ギャラリー酒蔵楽」です。

●ギャラリー酒蔵楽

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酒のギャラリーホールでは、酒造りに関しての資料が常設展示されています。また、年に数回ミニコンサートや陶芸・絵画などの特別展も開催されるそうですよ。

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蔵で造られた“お酒”や開華を使用した“大吟醸ケーキ”の他、「さのまる」や「とちまるくん」の可愛いカップに入った“カップ酒”や“大吟醸酒粕飴”もありますよ。

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海外の方には、瓶が竹皮で包まれている「開華 特別純米酒みがき」が、人気があるそうです。みがきは、「とちぎEマーク認定商品」(栃木県特別表示認証食品)や「佐野ブランド認定商品」にもなっています。

ギャラリーでじっくり選ぶのも楽しいですが、行く前に、それぞれのお酒の特徴を知っておきたい方は、ぜひパンフレットを見てくださいね。

23定番

24ギフト季節

ホームページのオンラインショップ(http://www.sakekaika.co.jp/ec_shop/index.php)にも、商品の特徴の詳細が載っていますので、ぜひこちらもご覧になってくださいね。

取材を通し、美味しいお酒で愛飲家の皆様に楽しんでいただけるよう、蔵人の皆さんが精進しておられる様子が十分感じられました。
「これからも、『品質向上への努力』と『日本酒を中心とした楽しい食文化のためのご提案』を休むことなく継続し、地元で愛される商品を目指しながら、国内・海外に日本酒の魅力を発信していきたい」と島田嘉紀社長が力説されました。

地域と農業を大切にする第一酒造さんの、こだわりと高い技術で造られる“開華”をぜひぜひお楽しみ下さい。

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≪会社情報≫

“第一酒造株式会社”
住所    佐野市田島町488番地
電話    0283-22-0001
ホームページ  http://www.sakekaika.co.jp
E-Mail     info@sakekaika.co.jp
開館時間  酒蔵楽(ギャラリーホール)営業時間:9:00~16:00(入場無料)
定休日   年中無休(冬期・夏期休業あり)※事前にお問い合わせください
駐車場   20台

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≪推薦者情報≫

「第一酒造」さんを推薦していただいたのは、日本電気株式会社宇都宮支店の渡邉善一さんです。

≪渡邉さんからの推薦コメント≫

推薦者渡邉様プロフィール写真栃木の数ある酒蔵の中でも、佐野の良質な水と自社水田で蔵人が栽培する酒造好適米等を原料に造る、やわらかな旨みとふくよかで洗練された華やかな香りが特徴のとちぎ佐野の地酒「開華」(かいか)をお薦めします。
規制緩和・価格破壊・流通の変化などにより苦戦をしている清酒業界にあって、第一酒造さんは、「品質第一」・「お客様に喜ばれる商品を提供する」を社訓として、酒単体のみならず、地域性と季節性を訴える「旬どき・うまいもの自慢会・とちぎ」や全国の酒蔵9社の共同アンテナショップ「宝」(東京国際フォーラム内)、自社の庭で開催する「ひやガーデン」(6月中旬~7月末の夕方開催)、愛飲家の皆さんにお酒を選んでいただき商品化する「こだわりの厳選会」、酒蔵母屋和室でお酒を楽しむ「酒蔵茶屋」などを実施しています。
是非、佐野方面お出かけの機会がありましたら、第一酒造さん(開華)にもお立ち寄り下さい。

※今回、取材陣のひとりである某放送局長さんからわたくし(推薦者)に対して「(原稿の方も)お酒だけにしっかり絞って下さいね!」(笑)と檄?が飛んでいたのは秘密です。

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《取材情報》

取材日   2014年1月30日(木)
取材者   渡邉(善)・三好・北出・黒﨑・松﨑

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