みなさんこんにちは、これトチ!です。
今回は、世界遺産である日光の社寺の隣にある「堯心亭」(ぎょうしんてい)さんをご紹介します。
明治の館グループの堯心亭さんは、1979年(昭和54年)10月に開店しました。
以前紹介した、「明治の館」さんが西洋料理、「山のレストラン」さんが北米スタイルのグリル、「ステーキハウスみはし」さんがステーキ専門と、洋食が中心になっているのに対して、和食のお店で、しかも栃木県内では数少ない精進料理の専門店となっています。
和食の原点と言われる精進料理は、元々はお坊さんが修行時に食べる食事だったそうです。
日光山の修行場であった「堯心坊」から命名されたそうで、その伝統ある精進料理を頂くことができます。
場所は、「明治の館」さんと同じ日光不動苑内にあります。
明治の館さんの建物の横にある石畳を進みます。
山道を上がっていくと、建物が見えてきます。
静寂な環境の中に建つ数寄屋造りの建物は、辺りの景色に溶け込み、別世界の雰囲気を醸し出しています。
お店に入ると、喚鐘(半鐘等、他の呼びかたもあります)が、呼び鈴として置かれています。
今回ご紹介させていただく料理は、「精進料理」\3,800(税・サービス料別)と「懐石弁当」\3,000円(税・サービス料別、昼のみ)です。
料理を待つ間も、素晴らしい外の景色や部屋の襖絵・掛け軸等が、目や心まで楽しませてくれます。
美しいと定評のある庭は、季節毎に違う表情を見せてくれます。
個室の襖絵は、日光の社寺等の文化財の修復にあたられた、故「吉原北宰」氏の直筆です。
掛軸と額は、日光山輪王寺門跡 第81世 柴田昌源大僧正の直筆です。
掛け軸には、「夢」、「寿」、「雲」と書かれているそうです。
額に書かれている「茶煙書声」は、お茶を点てていると、隣から経を読む声が聞こえるという意味だそうです。
確かにここにいますと、古の声が聞こえてきそうです。お店にぴったりの言葉ですね。
素晴らしい景色や襖絵・掛け軸等を愉しみ満足度120%となったところで、いよいよお料理が運ばれてきました。
先ずは、月替わりの精進料理からご紹介します。
月替わりの精進料理には、季節の旬の食材が使われています。取材時は3月だったので、「弥生の精進料理」でした。
一 先付 うるい浸し
一 千代口 春菊の白酢掛
一 壷 胡麻豆腐
一 刺身 生引上湯波
一 平椀 揚巻湯波・明日葉(あしたば)
一 平皿 港揚(うなぎ似)、擬製豆腐
一 煮物 筍(たけのこ)、蕗(ふき)、和らび、梅麩(ふ)
一 揚物 みずがらし(クレソン)、新馬鈴薯、独活(うど)
一 飯椀 香の物ちらし(酢めしにつけもの入り)
一 汁椀 麦味噌仕立
一 甘味 生麩阿部川
次に「弥生の懐石弁当」を紹介します。
精進料理をベースにした懐石弁当にも、季節の旬の食材が使われています。
懐石なので、魚や肉が使われます。こちらも月替わりです。
一の重 生引上湯波、縞鯵の刺身、うるい浸し
二の重 三点盛り合せ、白魚のかき揚、新馬鈴薯、みずがらし
三の重 揚巻湯波、筍(たけのこ)、蕗(ふき)、和らび、梅麩
飯椀 香の物ちらし
汁椀 麦味噌仕立
甘味 生麩阿部川
穀物や豆類、野菜中心のため、一見素朴に見える精進料理ですが、素材を活かし、ひとつひとつの料理が工夫され、手間がかけられているのが分かります。
店長兼調理長の村川勝美氏にお伺いしたところ、
「禅は、日常の行い全てが修行で、『食(料理・食事)』についても重視しており、食材への感謝、食べる方の立場に立つこと等を大切にしています。だから、季節折々の幸を使用し、素材の持ち味を活かし、見た目の美しさを大切にする等、全体の調和や食べる方の事を考えながら、一つ一つ丁寧に作ることを心がけています」
とお話しくださいました。
また、殺生のできない精進料理には、肉や魚に見た目を似せた料理がよく出されるそうです。
今回いただいた平皿の「港揚」は、身を豆腐と海苔で作り、鰻に見立てられたもの、「擬製豆腐」は、豆腐で玉子焼きを模したものです。
料理法などを知ることで、作る方の想いも伝わり、更に精進料理を楽しめますよ。
以上、素晴らしいメニューとお食事内容に満足度200%でした。
日光総業株式会社の宇井社長(写真中央)にお話しを伺う取材陣。
日光東照宮の東隣にあるこの一帯は、寺院跡が「日光不動苑」としてのこっているそうです。
堯心亭の奥には、不動尊や地蔵尊、祠(ほこら)などが今も遺っており、ここで多くの方が修行されていたことを感じることができます。一周が15分ぐらいとのことですので、ぜひご覧になってくださいね。
当日お世話になりました、女将の吉新様(写真中央)、井手さん(写真右)です。
堯心亭さんは、季節毎に違う姿を見せてくれる庭園と旬の素材を使った月替わりの献立を楽しみにして通われる方が多いのが特徴です。リピーターの方は、栃木県内の方は勿論、東京の方も多いそうですよ。
大切な方と贅沢なひと時を愉しむためにも、ぜひ予約して行くことをおすすめします。
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≪お店情報≫
“精進料理 堯心亭(ぎょうしんてい)”
住所 日光市山内2339-1
TEL 0288-53-3751
営業時間 11:00~19:00(ラストオーダー)
定休日 木曜日(営業の場合もありますので、ホームページをご確認ください)
駐車場 80台(明治の館、游晏山房、尭心亭、ぎゃらりー蓄音機と一緒になっています)その他 別に特別の茶室あり 4名用
お店のホームページ http://www.meiji-yakata.com/gyoushin/
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≪推薦者情報≫
「堯心亭」さんをご推薦していただいたのは、株式会社ユザワの、湯澤隆司さんです。
≪湯澤さんからの推薦コメント≫
もうひとつの日光!!
もうひとつの日光のおもてなし。
世界遺産日光の社寺の隣にある、有名な明治の館の裏側に位置する、堯心亭!!
世界遺産日光の社寺の隣にあるお店は、厳かな雰囲気があり、大切な方をご案内するのにもおすすめの精進料理のお店です。
部屋に飾られた、日光山輪王寺元門跡第81世柴田昌源大僧正直筆の掛軸や鳴竜の再現をした吉原北宰氏の直筆の鳴竜襖絵などを堪能しながらいただく日光山輪王寺に伝わる精進料理が、最高級の日光のおもてなしを演出してくれます。
是非とも一度と言わずに、二度でも三度でも行かれてみてはいかがでしょうか?
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≪取材情報≫
取材日 2014年3月24日(月)
取材者 湯澤、村上、黒﨑、松﨑