みなさんこんにちは、これトチ!です。
今日は、那須町にある 有限会社 那須高原今牧場さんと 牧場内にあるチーズ工房さんをご紹介します。
昭和22年、現社長 今耕一さんのお父様が那須町にて酪農を始めました。
その後、耕一さんと奥様の克枝さんが引継ぎ、今や乳牛・和牛併せて300頭、山羊40頭を飼育しています。
170頭が乳牛で、そのうち50頭は、北海道の牧場に預託しています。生後数か月の牛を北海道の牧場に預け、妊娠したのち、那須に戻してもらうそうです。
北海道の広い敷地で放牧され飼育されることにより、足腰が強く、長く働ける乳牛になります。
生まれた子牛は高値で取引され、母牛は搾乳牛として活躍します。
170頭いる搾乳牛から取れる良質な牛乳は、明治の「おいしい牛乳」にも使われているそうです。
今牧場さんの大きな特徴は、牧場内がとても明るくきれいなことです。
それは、酪農経営に対する熱い思いがあるからです。
今さんは、おっしゃいます。「自分たちが誇りをもってやっている酪農を見てほしい、多くの方に理解してほしい」と。そのためには、まずは自分たちの職場である牧場の環境を整えること。
牛たちにとって快適で清潔な生活環境を整えています。
健康状態についても、食欲の状態等、毎日細かくチェックしています。
こうやって、たっぷりの愛情を受けて、牛たちが健やかに育っているのですね!
徹底された生活環境の整備により、県内でも7牧場しかない酪農の地域交流牧場として、消費者との交流の場を提供したり、酪農教育ファーム認証牧場の認定も受けています。また日本農業法人協会のインターンシップ事業に登録し、学生、社会人を受け入れています。中国やタイからの外国人実習生の受け入れも行っています。
そんな今牧場さんの優れた経営と技術はたびたび高く評価され、農業者へ贈られる最高の栄誉、「天皇杯」を受賞しました。
【チーズ工房】
今牧場のチーズ工房の特徴は、乳牛のチーズはもちろん、山羊のチーズも作っていること!です。
このチーズ作りを担当するのは今さんの次女、髙橋ゆかりさんとご主人の髙橋雄幸さんです。
全国に約200軒のチーズ工房がありますが、山羊のチーズを作っているのは、そのうち12~3軒だそうです。栃木県では、なんと今牧場さんだけなんです。
なぜ、山羊のチーズは少ないか?
それは、山羊は、乳量が非常に少ないからなのです。乳牛だと1日30~40キロ取れるところが、山羊の場合、わずか2.5キロ。ただでさえ、100グラムのチーズを作るには、その10倍というたくさんの乳が必要になります。
それだけ、山羊のチーズは希少ということです。
一昨年の平成24年には、天皇、皇后両陛下が静養のために那須御用邸にいらっしゃった折に、今牧場さんの牛舎とチーズ工房をご見学なさいました。
両陛下に「おいしいですね!」っておっしゃっていただいた、お墨付きのチーズです。
今回取材で、たくさんの名言を聞きました。
その中で一番印象深いのは、「チーズを作るなら、ミルクは運ぶな」です。
生乳は、輸送中に空気に触れることや、揺れや温度の変化により、脂肪が固まり臭いや味に不純なものが生じてしまうそうです。
それを今さんは、解決しました!
搾乳した乳は、搾乳機からそのままパイプラインを通り、自然の傾斜を利用してチーズ工房へ流れ込み、そのままチーズ作りに使われます。だから新鮮なのです。
早朝5:30に絞った生乳が、午前10:00にはチーズになります。
国内では珍しい熟成させないタイプのフレッシュチーズが作れます。
取れたての生乳で作ったチーズをその日に食べられる贅沢。
雄幸さん、ゆかりさんには、次の夢があります。
実は、ゆかりさんのお兄さんはドイツで修行経験のある料理人。地元に帰ってきて、レストランを開いてもらえれば、その日作ったチーズをその日のうちにお客様に召し上がってもらえる・・・。今牧場さんの経営は、無限大。不可能を可能に変えていくのです。
一頭一頭の乳牛から、おいしい生乳を絞る搾乳機
絞った生乳は、搾乳機からそのままパイプを通って…
集まってきた生乳は、パイプを通り、自然の傾斜でチーズ工場へと流れていきます。
チーズ作りの基本は、新鮮な生乳。新鮮さを確保するため、乳牛の飼育と搾乳、厳重な衛生管理体制。そのすべての工程で必要とされる高い技術と丁寧な作業。
実は、高橋さんご夫婦、農業大学校ご卒業後、北海道での研修のほかに、ご主人の雄幸さんはドイツで、ゆかりさんはイタリアで、チーズの修行経験があります。
お二人のチーズ作りへの情熱とここに至るまでの研究、技術の習得にはただならぬものがあります。
「10年はかかりました」と笑顔で話すお二人。その技術の高さは、チーズ職人が腕を競う全国大会「オールジャパンナチュラルチーズコンテスト」で上位入賞をしています。
雄幸さんは、ゆかりさんとのご結婚を機に、ご実家である新潟から那須へいらっしゃいました。なんとそのとき一緒に山羊も新潟から来たそうです。
「新郎と一緒に、山羊が来た~」ですね。
雄幸さんの山羊への思いは、とにかく熱いです。
毎年、全国山羊サミットなるものが開かれているそうですが、そちらにももちろん参加。
夜を徹して山羊について熱く語る、研究者、酪農家・・・たくさんの方々。
ぜひ来年の開催は、栃木県にもってきたいと意気込みを語ってくれました。
雄幸さん
ゆかりさん
それでは、お待ちかね。おいしいチーズをご紹介します!
ほとんどの商品は、ネットからの注文もできます!
ゆきやなぎ
朝一番の、それも健康な牛から絞ったフレッシュミルクしか使いません。ほんとにフレッシュ。ミルク本来の甘みがさわやかに口に広がる贅沢なチーズです。
“ゆきやなぎ“とは、今牧場さんの前の「ゆきやなぎ通り」から名付けました。
朝日岳
これが、山羊のチーズです!愛情たっぷりに育てた山羊の乳から作ったチーズ。淡雪のよう。クリームチーズのような滑らかさとヨーグルトのようなさっぱり感。「山羊の乳は臭いがー」と思われる方、前段でお話ししたように、今さんの生乳は空気や雑菌に触れることなく、独自のパイプラインで流し、チーズにしていますので、臭いはないのです。ぜひ、一度ご賞味ください。
茶臼岳
良質な山羊の生乳で作られた、まったりとした上質なチーズです。食用炭が周りに降りかかった様子は、まさに雄姿、茶臼岳です。
しののめ
熟成チーズ。柔らかでありながらもっちりとしたチーズ。おいしい!
みのり
セミハードタイプの熟成チーズ。優しいミルクの味がたまりません。
チーズフォンデュ専用チーズ
本格的なフォンデュが味わえます。
フレッシュチーズと熟成チーズセット
フレッシュチーズセット 贈り物に喜ばれること間違いなしです。
今回、今さんご家族にお話を伺って、気づきました!
今牧場の牛乳やチーズがおいしい理由。
それは、
とても深い愛情をもって育てた乳牛や山羊の乳から作られているからです。
300頭もいる牛の性質、健康状態、生乳の取れ高まですべて把握しています。
「この子はいつもこのくらいの生乳が取れるはずなのに、今日は熱でもあるのかな」。
自分の子どものように、愛情を注いで、注意を払って、毎日を過ごしています。
たっぷりの愛情で乳牛を育てる今さんご夫婦。
その生乳から、さらに深い情熱と丁寧な作業をもってチーズを作る高橋さんご夫婦。
こんなにもあったかい関係の中で作られる生乳やチーズ。おいしいはずです。
写真左から克枝さん、耕一さん、ゆかりさん、雄幸さん、そしてゆりなちゃん
牧場体験学習も行っています。
詳しい情報は、ホームページをご覧ください。http://www.ima-farm.com/
ゆりなちゃんと悠悟くん
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≪施設情報≫
“有限会社 那須高原今牧場”
住所 那須郡那須町大字高久甲5898
TEL 0287-64-0777
FAX 0287-64-0715
“那須高原今牧場 チーズ工房”
住所 那須郡那須町大字高久甲5899-7
TEL 0287-74-2580
FAX 0287-74-2585
営業時間 10:00~18:00(冬期間 10:00~17:00)
定休日 水曜日
ホームページ http://www.ima-farm.com/
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≪推薦者情報≫
「有限会社那須高原今牧場」さん・「那須高原今牧場チーズ工房」さんをご推薦して下さったのは、グループAGの、浅沼公子さんです。
≪浅沼さんからの推薦コメント≫
2012.7.24、那須高原 今牧場で牛舎とチーズ工房をご覧になり、チーズを召し上がっていらっしゃる天皇皇后両陛下の大きな写真が新聞に掲載された。
『あぁ!ももちゃん(旧姓桃井)の牧場だ』と、歓声を上げた。ご主人の耕一氏と、ももちゃんが築き上げた牧場、フィロソフィを、娘夫妻がしっかりと受け継いでいる。「おいしいですね」と天皇陛下がおっしゃったその至極の味。ぜひ多くの方々に体感いただきたい。
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≪取材情報≫
取材日 2014年3月19日(水)
取材者 浅沼・池田・伊藤・黒﨑・松﨑