みなさんこんにちは、これトチ!です。
今回は、“陶工房 あかし”さんをご紹介いたします。
“陶工房あかし”さんは、伝統ある窯元や陶芸家が居を構える、益子町道祖土(さやど)にあります。
工房を開かれている、陶芸家の明石庄作先生は、益子焼の伝統を守りながら、現代に合った作品を発表されています。
先生が作陶の際こだわられているのは、「形と色」。
「形」は、張るところは張って、絞るところは絞ってメリハリを出すように、「色」は、それぞれの色が持つ、「色の綺麗さ」を大切にしているそうです。作品は、美しいコバルトブルーが特徴です。
明石先生は、釉薬で本焼きした後、更に塩を入れて焼いた「重焼(かさねやき)」という技法で作品を作られています。
「益子の伝統を守りながら、新しいものを取り入れていきたい」との想いから、益子の昔ながらの素材にこだわりながらも、新しい作品を生み出すために、土・釉・焼等の“素材や技法”について、日々研究をされているそうです。
この日拝見させていただいた作品の中に、外は伝統ある益子焼、内側に金箔を貼った小箱がありました。「伝統の中にも遊び心がある作品」、これが多くの人を引きつけてやまない理由なのでしょう。
焼成前(左)と焼成後(右)の作品。
益子の土は、焼くと15%程度詰まるため、大きさが、こんなに違ってしまうのだそうです。
陶芸の体験等で作るときは、大きめに作るのがポイントとのことです。
玄関には、奥様が活けられたコスモスとススキが飾られていました。
明石先生の作品は一見個性が強いように思われますが、決してお花の美しさを邪魔するものではなく、お花を生けることにより完成される美しさがあります。ほかの花器も一つ一つに似合う花が浮かび、お花を生けて飾りたいという気持ちにさせてくれる作品です。
2012年に、作陶50年を迎えられた明石先生。
陶芸の世界に入ったのは、15歳の時だったそうです。
でも、そのきっかけは、「東京に行きたくなかったから」と意外な理由。
実は、中学卒業後の進路を決める時、お父様は家業を継がせるために、東京の高校に進学させようと思っていたそうです。
益子に残りたいという理由で入った陶芸の世界でしたが、すぐに益子焼の魅力にハマり込んだそうです。そして、修行を始めて20年になったのを機に独立し、現地に築窯されました。
現在、開催される個展に訪れる多くの方が、その作品に魅了されています。
写真の窯は、NHKの「小さな旅」でも紹介された、耐震構造で再建した登り窯です。
2011年の東日本大震災では、多くの作品と窯が壊れてしまったそうですが、その年の10月に作陶50周年記念の個展の開催が決まっていたので、震災の3日後にはロクロに向かい、急いで作品を作り始めたそうです。
明石先生の作品を作る時の楽しみは、「100%の良いイメージで出来る窯焼きの時。もう一つは、色彩の状況を確認するために入れたテストピースの色が良くできているかどうか」とのこと。
テストピースの出来によって、窯で作る作品のイメージが決まるそうです。
先生の作品は、“陶工房 あかし”でご覧になることができます。
作品は勿論、明石先生の気さくで優しいお人柄にも魅了された取材陣でした。
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≪施設情報≫
“陶工房 あかし”
住所 芳賀郡益子町大字益子3378
TEL 0285-72-3769
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≪推薦者情報≫
「陶工房 あかし」さんをご推薦していただいたのは、株式会社外池酒造店の、外池茂樹さんです。
≪外池さんのコメント≫
明石庄作先生は、伝統的な益子焼に独特な先生の作風を織り交ぜた素晴らしい作風の陶芸家です。
先生は、人を大事にするおもてなしの心の方です。一人でも多くの方に益子焼を知っていただきたい、その魅力を感じてほしいとの強い思いで、先生がすべての方に接する姿と先生の力強い作品が大好きです。
2011年には伝統的工芸品産業功労賞を受賞されています。
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≪取材情報≫
取材日 2012年10月30日(火)、2014年3月26日(水)
取材者 益子・外池・根本・村上・黒﨑・松﨑