みなさんこんにちは、これトチ!です。
建築家・隈研吾氏作品巡りの二つ目となる今回は、「那須歴史探訪館」さんをご紹介いたします。
前回ご紹介した「石の美術館・STONE PLAZA」より、わずか徒歩10分ほどで着く場所にあります。
ちょっとした坂道を登って行くと右手に石造の門柱と土蔵が見え、アプローチに江戸時代の門を複元した建物「陣屋裏門」が出迎えてくれます。
陣屋裏門をくぐると、正面に芦野の町並みと那須連山を一望できる展望台があり、左手に展示館があります。
歴史的な建物と現代建築がとても上手く融合した建物で、エントランス部は、比較的歴史的な建物を配置しながらも、ガラスを使いモダンな部分もあり、個人的にお気に入りの建物です。
施設全体もシンプルな切妻屋根の平屋建てながら、外壁をガラスで覆い、その内側に和紙や、稲藁を樹脂で固めたパーテーションなどで間仕切り展示空間としています。
従来の日本様式に敬意を払いながらも、大胆な材料を使い、新たな日本様式を創り出すその姿勢は圧巻とも思える手法で、10数年経った今でも、決して色褪せることがないのです。
内部空間は外部に開放されながらも、可動式パーテーションにより調整されます。
日が沈むと、行燈(あんどん)に灯が点ったような幻想的な雰囲気になるのだそうです。
ロビーには「石の美術館・STONE PLAZA」と同じ隈研吾氏デザインの椅子もあります。
ロビーと受付の壁として使用されているのは、地元の葛蔓です。
那須歴史探訪館がある、芦野地区は、旧奥州街道の宿場町、及び芦野氏の城下町として発展した地域だったそうです。
その歴史を伝えていこうと、平成12年10月12日にオープンし、「道」をテーマに、「通史」、「トピックスギャラリー」の三部門で構成し、那須の歴史を展示しています。
幹線道路は、時代の変遷とともに東から西へと移っているそうですが、交通の要衝(東北への入り口であり、関東の入り口)として発展した歴史が、模型や映像を使い、わかりやすく解説されているのが特徴です。
学芸員の田端様(写真右)にお話を伺う、これトチ!取材陣。
取材にお伺いした日は、企画展「戊辰戦争と那須町」(※平成25年11月24日で終了)の最中でした。
企画展の開催時は、スペースの関係で、常設展はお休みとなるそうですが、企画展では、普段は目にすることができない那須町の貴重な資料等をみることができます。
また、那須町の史跡に関する講演会や史跡めぐり等の企画も行っているそうなので、個人ではなかなか行けない史跡や話を伺うことができるそうです。
館長の齋藤様(写真右)にお話を伺う取材陣。
こちらも隈研吾氏の作品らしく、周辺環境との調和が素晴らしいので、那須歴史探訪館を見学した後は、建物周辺の散策をしていただくことを是非お薦めいたします。
中庭にある、ワイヤーで作られたベンチは、勿論ルーバー状。ここから見る、建物とその背後にある御殿山の景色がとても素晴らしいのです。
今回の取材に対応いただいた、館長の齋藤様(写真左から2番目)を囲んで。
落ち着いた空間で、那須町の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。
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≪施設情報≫
“那須歴史探訪館”
住所 那須郡那須町大字芦野2893
電話 0287-74-7007
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)
年末・年始(12月27日~1月5日)
入館料 大人200円、小・中学生無料
大人団体100円、小・中学生団体無料
※団体は20名以上
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≪推薦者情報≫
「那須歴史探訪館」さんをご推薦していただいたのは、株式会社酒井建築設計事務所の酒井誠さんです。
≪酒井さんからの推薦コメント≫
隈研吾氏の建築の中では、割とマイナーな存在ながらも、規模、空間の質などとても好きな建築の一つです。
展示資料の鑑賞のみならず、ゆったりと中庭や、周辺の草木を見るだけも価値のある空間。
休日の午後などに、ひっそりと訪れたいそんな素敵な空間ですので、ドライブがてら是非お出かけくださいませ。
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≪取材情報≫
取材日 2013年10月23日(水)
取材者 酒井・浅沼・吉澤・黒﨑・松﨑